界と域の狭間
       

 

                  落 下
聳り立つ絶壁から 千尋の谷底へ
天から舞い落ちる 一片の雪のように
くるくる くるくる止めなく

薄紫から 濃い紫へ
そして 暗黒の黒

奈落の底には 少女がいた
紅梅色の衣を纏い

翻る裳裾の向こうは 春の草原
草原には 小川が流れている

春の光と戯れながら

小川は 湖へと続いている

清々と久遠に青い水面には

夏の深山(みやま)が映じている



聳り立つ絶壁から 千尋の谷底へ
天から舞い落ちる 一片の雪のように
くるくる くるくる止めなく

薄紫から 濃い紫へ
そして 暗黒の黒

そこは 奈落の底
灼熱の砂漠は 億万由旬が世界を覆う
 [数多の原野]top^数      三億京の軸と 無限数の転変と
聳り立つ絶壁から 千尋の谷底へ
天から舞い落ちる 一片の雪のように
くるくる くるくる止めなく

薄紫から 濃い紫へ
そして 暗黒の黒

奈落の底には 緑春の草原
小川は 光りと戯れ
青々たる湖の向うには 夏の深山が連なっている

しかしそこには 少女はいない










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